株式会社インベストメントカレッジ
吉田健吾
累計12万5000人以上の個人投資家が学ぶ投資スクール「Daily Wealth」の運営責任者。講師には、カリスマFXトレーダーの維新の介を始め、毎年億を稼ぐプロトレーダー、不動産投資歴19年の元祖サラリーマン大家、FX・株・先物・不動産投資、ベンチャーキャピタルなど幅広く精通する大分の投資家など、一流のトレーダー・投資家がいる。
「借金を抱えるかもしれない」「リスクが高く危険」など、FXに対してネガティブな印象を持っている方も多いのではないでしょうか?
特にこれからFXを始めようとしている方やまだ取引を始めて間もない方は、このようなマイナスの情報を耳にすると不安な気持ちになるかもしれません。
FXは投資なので、たしかにリスクはあります。
しかし、FX取引で上手く資産を増やしている方がいるのも事実です。
初めて包丁を握ったとき、使い方はもちろんですが、「包丁は正しく使わないと危険だ」ということを教わったかと思います。
FX取引も同様です。
まずはFXにおける危険性はどのようなものがあるか、取引を始める前にきちんとリスクを理解しておきましょう。
Contents
FX初心者が注意すべき9つのリスク
「FX=危険」と言われる理由は何なのでしょうか?
特に初心者が陥りやすい代表的なリスクを見ていきましょう。
為替変動リスク
為替相場は常に動いています。
「為替変動リスク」とは、この相場の変動によって損するリスクのことです。
FXにおける9つのリスクを紹介しますが、そのなかで一番大きなリスクとも言えます。
例えば、1ドル100円のときに価値が上昇すると予想して1万ドル買いのポジションを持ったとします。
予想通り110円に上がれば10万円分の利益が出ますが、90円に下がったら10万円分の損が出てしまいます。
当たり前のことですが、相場が上がるか下がるかの予想が当たれば利益が出ますが、外れれば損失が出るということです。
相場が急変する可能性もあり、一瞬にして大損してしまうということも考えられます。
金利変動リスク
金利も為替相場同様、変動します。
この金利の変動によって損失が生じるリスクのことを「金利変動リスク」といいます。
特にスワップポイントによる利益を得ている方は注意が必要です。
スワップポイントとは取引する通貨ペアの金利差から得られる利益のことですが、各国の経済状況などの変化によってスワップポイントも変化します。
ポジションを保有した当初は利益が出ていたとしても、スワップポイントがマイナスになれば、逆に支払いが発生する可能性もあります。
その場合、長期間保有しているだけで大きな損失となってしまうでしょう。
また、金利変動はスワップポイントだけに影響するものではありません。
「お金は金利の高い方に動く」と言われており、金利の変動が為替にも影響し、その結果損失が生じる可能性があります。
レバレッジリスク
手元の資金以上に大きな金額の取引ができる「レバレッジ」がFXの魅力でもあります。
最大25倍までレバレッジをかけることが可能で、4万円入金すれば100万円分の取引ができます。
予想通り10%相場が動けば、本来4000円しか利益が出ないところ、25倍の10万円が得られるということです。
ただし、レバレッジは損失も増加させます。
初心者は大きなリターンにばかり目が行きがちですが、高いレバレッジをかけるということはリターンと同時にリスクも倍増させることをきちんと理解しておきましょう。
ご自身の資金力に見合ったレバレッジと取引量を守ることが大切です。
流動性リスク
FXにおける流動性とは、取引されている通貨の量や頻度のことを指します。
簡単に言うと、売買しやすいかどうかということです。
円やドルなどのメジャーな通貨は取引参加者が多く、頻繁に売買されているため流動性が高いと言えます。
一方、トルコリラやメキシコペソなどのマイナーな通貨は取引参加者が少なく、活発に取引がされていないため流動性が低いです。
売りたい人や買いたい人が大勢いるため瞬時に取引ができますが、売買が頻繁にされていない通貨を保有していると、自分が決済したいタイミングで取引できなくなります。
万が一、損切りしたいけどできない状況になってしまったらどうでしょうか?
大きな損失を抱える可能性もゼロではありません。
このような「流動性リスク」を理解した上で、取引する銘柄を選択しましょう。
オンラインリスク
FXはインターネット上で取引が行われます。
そのため、インターネット環境のトラブルが損失に繋がるケースもあります。
考えられる原因は2つです。
ひとつはあなた自身が取引に使用しているパソコンやスマホの故障や通信回線異常などで、端末が使えなくなるかもしれないということです。
何らかの不具合で、売買のタイミングがずれてしまったり、なぜか決済がまったくできなかったりと、対応が遅れることで損失が出る可能性があります。
もうひとつはFX会社側のサーバーエラーです。
いざ取引しようと思ったら、システムメンテナンス中で取引ができないという事態も考えられます。
売買ができない間も相場は動いていますので、システム障害を頻繁に起こすFX会社では取引しないということもリスクを回避するためには有効です。
信用リスク
万が一FX会社が不祥事を起こしたり、倒産したりした場合に、あなたの預けたお金をすべて失ってしまう可能性があることを「信用リスク」といいます。
日本国内のFX会社は信託保全という制度により、倒産してしまっても投資家の資産は保護されていますが、海外のFX会社を利用している場合には注意が必要です。
国ごとに法律が異なるため、信託保全の状況も違ってきます。
事前に全額信託保全を採用しているFX会社かどうかを調べていれば避けられるリスクなので、取引前に必ずチェックしておきましょう。
カントリーリスク
カントリーリスクとは、投資対象先となる国の政治的・経済的リスクのことです。
戦争やテロなどが起こりやすい国では、政治情勢や経済状況が安定しないことが多く、為替変動リスクや資金の回収が困難になるリスクが高くなります。
日頃からニュースを確認したり、信用格付会社のスタンダード&プアーズ(S&P)が公開している各国の信頼度を参考にしたり、常に最新の経済情報にアンテナを立てておきましょう。
地政学的リスク
地政学的リスクとは、特定の地域における政治的・軍事的な緊張の高まりが、その特定地域だけでなく、世界経済全体の経済に影響を与えるリスクのことです。
先ほど説明したカントリーリスクと似ていますが、カントリーリスクは国内でのリスクを指しており、地政学的リスクは国家間におけるリスクを意味しています。
メンタルリスク
取引している自分自身がリスク要因になりうるということです。
例えば、利益がどんどん上がっているときは「まだ儲けが出るかもしれない」となかなか利益確定ができず、欲張った結果、本来得られるはずの利益が少なくなってしまう可能性もあります。
逆に、損失が膨れ上がると「いつか上がるかもしれない」と損切りができず、負けを取り戻そうと無茶なトレードを繰り返し、莫大な損失を出してしまうかもしれません。
トレードの勝ち負けに一喜一憂し、感情的になってしまうと、冷静な判断ができず思わぬ失敗に繋がります。
FXで安定した利益を出していくためには、自分自身の感情をコントロールできるように事前に対策を練っておきましょう。
リスクを抑えるには?安全に運用するための6つのポイント
ここまで9つのリスクを説明しましたが、「こんなにリスクがあるなら、やっぱりFXは危険なのでは?」と疑問を持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
繰り返しになりますが、投資なのでリスクはあります。
ただし、次の6つのポイントを守ることで、FXのリスクを抑えることが可能です。
極端ですが、適切な知識がないまま高いレバレッジで全財産をつぎ込むのはただのギャンブルになってしまいます。
FX初心者の方は、まずは安全性の高い取引をおすすめします。
失敗してもダメージを最小限に抑えられるように、「万が一すべて失っても構わない」と思えるくらいの金額から取引を重ね、経験値を積んでいきましょう。
まとめ
相場の動きを完ぺきに当てられる人はいませんので、リスクは必ずあります。
その危険性を理解した上で、事前に対策を取っておくことが重要です。
リスクを軽減するために、まずは自分の身の丈に合った取引から始めましょう。