株式会社インベストメントカレッジ
吉田健吾
累計12万5000人以上の個人投資家が学ぶ投資スクール「Daily Wealth」の運営責任者。講師には、カリスマFXトレーダーの維新の介を始め、毎年億を稼ぐプロトレーダー、不動産投資歴19年の元祖サラリーマン大家、FX・株・先物・不動産投資、ベンチャーキャピタルなど幅広く精通する大分の投資家など、一流のトレーダー・投資家がいる。
FXをしている人の中には、為替変動の予想精度を上げることによって勝率を高めるために、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析などを学んでいる人も多いと思います。
様々な手法がある中で、ハーモニックという手法もありますが、どのようなものなのでしょうか?
そこで今回は、FXのハーモニックとはどんなものなのか、ハーモニックの特徴やメリット・デメリットについて解説します。
Contents
FXのハーモニックとは
FXは、次にどのような為替変動が生じるのかを予想して取引することで利益を得ますが、予想精度が低いと損失を重ねることになります。
予想精度を上げる方法として、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析を駆使するという方法がありますが、数多くの分析手法があるため、どれが良いか分からない人も多いと思います。
ハーモニックも分析手法の1つです。
ハーモニックの主な特徴は、高い的中率にあります。
パターンに当てはまった場合の的中率は80%以上と言われていることから、トレーダーに広く利用されています。
ハーモニックは的中率の高さが魅力ですが、パターンの出現率が比較的低いという特徴があります。
しかし、トレンド転換を高い確率で見抜けるため、是非とも覚えておきたい分析方法と言えるでしょう。
そんな特徴があるFXのハーモニックですが、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
ハーモニックのメリットとデメリットについて見ていきましょう。
ハーモニックのメリット・デメリット
ハーモニックのメリット
ハーモニックには以下の2つのメリットがあります。
- トレンド反転の的中率が高い
- 反転する場所を見抜きやすい
数多くあるFXの分析手法の中でも、ハーモニックのトレンド反転の的中率はかなり高いと言えます。
ハーモニックには、反転が想定されるポイントがあり、そのポイントからの反転確率は90%程度とも言われています。
反転することが分かっていても、反転ポイントの予想がずれていれば利益を取りこぼしてしまう可能性があります。
しかし、ハーモニックでは、計算によってエントリーポイントが明確に算出できるため、慣れれば初心者にとっても使いやすい分析手法と言えるでしょう。
ハーモニックのデメリット
ハーモニックは、トレンド反転の的中率が高いことや反転する場所を見抜きやすいというメリットがありますが、デメリットはあるのでしょうか?
ハーモニックには以下の3つのデメリットがあります。
- 使いこなすまでに時間がかかる
- 取引回数が限られる
- 完璧な分析手法ではない
ハーモニックには、代表的な4つのパターンに加えてサブ的なパターンも含めると10種類以上あります。
そのため、FX初心者が使いこなすにはある程度の時間がかかります。
また、パターンの出現率が比較的低いため、頻繁に取引するというわけではありません。
数少ないチャンスが現れるまで待つ必要があります。
分析手法の中には既に研究が完結しているものもありますが、ハーモニックは現在もなお開発が行われています。
古い手法では最近の相場環境に適応できない可能性があるため、常に新しいハーモニックの情報を取得する必要があるでしょう。
ハーモニックの代表的な4つのパターン
ハーモニックには数多くのパターンがありますが、代表的なパターンとして以下の4つが挙げられます。
- バット
- ガートレー
- バタフライ
- クラブ
それぞれのパターンの特徴について見ていきましょう。
バット
バットとは、コウモリの形に似たチャートパターンの形状になるハーモニックです。
下落が始まってから一度下げ止まり、フィボナッチの38.2~50.0まで反発したものの再度下落。
その後、最初の下落を下回らずに反発してフィボナッチの88.6まで上昇してから下落したという一連の流れがあったとします。
「88.6まで上がったのであれば、上昇トレンド継続か?」と勘違いしがちですが、ここは逆張りで仕掛けるのがバットです。
売りでエントリーした後、下落が始まった値の少し上に損切りを設定しておけば、大きな損失を抱えるリスクも抑えられます。
反対に上昇パターンの場合には、全ての条件を上昇に切り替えれば上昇パターンにも対応可能です。
88.6まで下落してから上昇に転じたタイミングに合わせて、買いでエントリーしておけば安定した利益が期待できるでしょう。
ガートレー
ガートレーとは、4つパターンの中で2点のフィボナッチ指数が固定されているため、使いやすい分析手法です。
下落が始まってから一度下げ止まり、フィボナッチの61.8まで反発したものの再度下落。
その後、最初の下落を下回らずに反発してフィボナッチの78.6まで上昇してから下落したという一連の流れがあったとします。
こちらもバットのケースと同様、上昇トレンドのように見えるかもしれませんが、逆張りで仕掛けるのがガートレーです。
バットと比較すると、2点のフィボナッチ指数が固定されているのでパターンの判断がしやすいという特徴があります。
反対に上昇パターンの時は、78.6まで下落してから上昇に転じたタイミングに合わせて、買いでエントリーしておけば安定した利益が期待できるでしょう。
バラフライ
バタフライとは、蝶の形に似たチャートパターンの形状になるハーモニックです。
こちらも下落が始まってから一度下げ止まり、フィボナッチの78.6まで反発したものの再度下落。
その後、最初の下落を下回らずに反発してフィボナッチの127.2~161.8まで上昇してから下落したという一連の流れがあったとします。
こちらも逆張りで仕掛けますが、売りエントリーのタイミングが127.2~161.8と広いため、エントリーのタイミングが難しいというデメリットがあります。
本来は127.2~161.8から下落に転じたタイミングで逆張りするのがバタフライでしたが、エントリータイミングを変更して順張りするという手法もあります。
例えば、最初の下落を下回らずに反発してから、78.6を超えるタイミングで順張りです。
そうすれば、高い確率で127.2~161.8まで上昇するため、安定した利益が期待できます。
反対に上昇パターンの場合は、127.2~161.8まで下落してから上昇に転じたタイミングに合わせて、買いでエントリーしておけば、安定した利益が期待できるでしょう。
クラブ
クラブとは、カニの手の形に似たチャートパターンの形状になるハーモニックです。
下落が始まってから一度下げ止まり、フィボナッチの38.2~61.8まで反発したものの再度下落。
その後、最初の下落を下回らずに反発してフィボナッチの161.8まで上昇して下落したという一連の流れがあったとします。
こちらも161.8まで上昇して下落に転じたタイミングで逆張りの売りエントリーをします。
しかし、クラブで注意しなければならないのが、戻りの範囲がバットやガートレーと重なることです。
戻りの段階では、バット・ガートレー・クラブのいずれかであることを意識しながら取引を進める必要があります。
反対に上昇パターンの時は、161.8まで下落してから上昇に転じたタイミングに合わせて、買いでエントリーしておけば、安定した利益が期待できるでしょう。
まとめ
ハーモニックも、FXで予想精度を高める分析手法の1つですが、トレンド反転の的中率が高いことや反転する場所を見抜きやすいというメリットが挙げられます。
一方、パターンが複数あるので初心者には難しいことやパターンの出現率が低く取引回数が限られることがデメリットとして挙げられます。
ハーモニックのパターンに当てはまった時は、高い確率でトレンド転換を当てられるため、世界中のトレーダーが利用しています。
間違った使い方をしないためにも、ハーモニックがどのような分析手法なのか理解してから使いましょう。