株式会社インベストメントカレッジ
吉田健吾
累計12万5000人以上の個人投資家が学ぶ投資スクール「Daily Wealth」の運営責任者。講師には、カリスマFXトレーダーの維新の介を始め、毎年億を稼ぐプロトレーダー、不動産投資歴19年の元祖サラリーマン大家、FX・株・先物・不動産投資、ベンチャーキャピタルなど幅広く精通する大分の投資家など、一流のトレーダー・投資家がいる。
FXでは、次にどのような為替変動が生じるのか予想して取引することで差益を得ますが、予想精度が低ければ安定した利益を得ることができません。
そのため、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析などを取引に用いている人も多いと思いますが、通貨ペアの強弱を判断するという方法を駆使している人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、FXで通貨ペアの強弱を見極める方法を解説します。
Contents
FXの通貨ペアの強弱とは?
FXでは日々為替変動が生じていますが、どうして為替変動が生じるのでしょうか?
それは通貨ペアに強弱が存在するためです。
例えば、米ドルと円の通貨ペアの価格が100円から101円になった場合は、円安・ドル高が進行しています。
この状況では、円が弱く、米ドルが強いと言えます。
もし、ユーロと円の通貨ペアの価格が120円から119円になった場合は、円高・ユーロ安が進行していることに。
この状況では、ユーロが弱く、円が強いと言えます。
これが同時に生じていると、ユーロが最も弱く、米ドルが最も強いということが分かるため、ユーロと米ドルの通貨ペアは大幅に上昇する可能性が高いと予想されます。
つまり、通貨ペアの強弱を理解することで、どの通貨ペアに対してどのようなエントリーが最適なのか見極められるようになるため、安定した利益が期待できるでしょう。
通貨ペアの強弱を見極める方法
通貨ペアの強弱を見極めると言っても、1つ1つの通貨ペアを比較していては時間と手間がかかってしまいます。
簡単に通貨ペアの強弱を見極める方法はないのでしょうか?
通貨ペアの強弱を見極める主な方法は以下の5つです。
- 前日比%を確認する
- Mataf.netを活用する
- Currency Strength Chartを活用する
- 通貨ペアの強弱を表すインジケーターを活用する
- 通貨ペアの強弱を表すチャートを活用する
それぞれの方法について詳しく解説します。
前日比%を確認する
一番手軽に通貨ペアの強弱を見極める方法として挙げられるのは、前日比%を確認するという方法です。
各通貨ペアの前日比%を確認すると、その日の通貨ペアで何が弱くて何が強いかを簡単に判断することが可能です。
例えば、日本円の通貨ペアが全てプラスになっている場合には円が弱い、マイナスになっている場合には円が強いことが分かります。
また、米ドルと円がプラス0.2%、豪ドルと円がプラス1%だった場合には、米ドルよりも豪ドルの方が強い状況と言えます。
これらを確認してから取引することで、次にどのような一手を打てばいいか分かりやすくなるでしょう。
Mataf.netを活用する
Mataf.netは、海外のサイトであるため、日本語には対応していません。
しかし、米ドル、ユーロ、円、ポンド、豪ドル、NZドルといった8種類の通貨の強弱を知ることができます。
最長で過去7年の通貨ペアの強弱を見極められるため、短期的な強弱だけでなく、長期的な強弱を知りたい人に適しています。
また、複数の通貨を選択すれば、主要通貨全ての強弱関係を一目で確認できるため、手間と時間を省きながら、効率良く強弱を判断できるでしょう。
Currency Strength Chartを活用する
Currency Strength Chartも海外サイトなので、日本語に対応していません。
Mataf.netは過去7年の強弱を知ることができましたが、Currency Strength Chartは当日と前日の2日しか強弱を知ることができないという違いがあります。
スキャルピングやデイトレードといった短期的な取引をする人には、Currency Strength Chartが適していると言えるでしょう。
通貨ペアの強弱を表すインジケーターを活用する
MT4で取引している人には、通貨ペアの強弱を表すインジケーターを活用するという方法をおすすめします。
通貨ペアの強弱を知るインジケーターとして有名なのはCCFpチャートです。
他にも様々な通貨の強弱を知ることができる無料のインジケーターもあるため、ネットで探してみると良いでしょう。
通貨ペアの強弱を表すチャートを活用する
FXの知識や経験が豊富な人がMT4を使ってインジケーターを表示することは容易ですが、知識や経験が少ないFX初心者がMT4を使いこなすことは容易ではありません。
そのようなFX初心者におすすめするのが、FX業者が提供しているシステムの中にある通貨ペアの強弱を表すチャートです。
以前は、マネックス証券のFX取引ツールに相関チャートがあり、容易に通貨ペアの強弱を知ることができました。
しかし、バージョンアップによって現在はこの相関チャートが利用できなくなっています。
提供しているシステムは各FX業者によって異なるため、どのFX業者が通貨ペアの強弱を表すチャートを提供しているか調べる必要がありますが、提供していた時はそのFX業者で口座を開設した方が取引を優位に進められるでしょう。
万能ではないので他の分析手法も組み合わせる
FXで通貨ペアの強弱を確認してからエントリー方向を決めるという方法は、相場の流れを反映できているため、安定した利益が期待できます。
しかし、このエントリー方法も万能とは言えません。
例えば、一時的な強弱関係の場合にはすぐに元に戻る可能性があります。
そのため、FXで継続的に安定した利益を得るには、通貨ペアの強弱を確認するだけでなくテクニカル分析やファンダメンタルズ分析などの他の分析手法を組み合わせることが重要です。
最後にテクニカル分析とファンダメンタルズ分析について説明します。
テクニカル分析
テクニカル分析とは、過去の為替変動を反映したチャートから将来的に生じる為替変動を予想する分析手法です。
例えば、ローソク足を見れば一定期間における始値・終値、高値・安値、上がって終わった・下がって終わったという一連の流れが分かります。
それらを見比べながら、現在の為替変動が上昇局面なのか下降局面なのかを判断します。
移動平均線を使ったテクニカル分析も、ローソク足と同様にどのような局面にあるのかを判断することが可能です。
また、抵抗線や支持線から投資家心理を読み解くこともできます。
テクニカル分析は100種類以上あるため、全ての分析手法を使いこなせるというわけではありませんが、通貨ペアの強弱と組み合わせることでより予想精度を高めることができるでしょう。
ファンダメンタルズ分析
ファンダメンタルズ分析とは、チャートを見て為替変動を予想するのではなく、経済指標や世界情勢などから為替変動を予想する分析手法です。
通貨は国が発行しているものであるため、発行している国の経済情勢や世界情勢の影響を受けます。
例えば、アメリカが発行している米ドルが100円の時に、雇用統計が予想よりも良い結果が発表された場合には、景気が良くなっていると判断されて通貨が買われます。
その結果、米ドルの価値が上昇するため、米ドルと円の通貨ペアも上昇します。
このように経済情勢や世界情勢を確認していれば、ある程度の為替変動を予想することが可能です。
しかし、経済指標は予想が発表されており、ある程度は広く知れ渡っているため、短期的な為替変動にはあまり影響を与えません。
ただし、予想とは異なる結果になると、大きな為替変動が生じるため、必ず確認しておきましょう。
まとめ
FXの通貨ペアの強弱を調べることによって、通貨間の優劣関係が分かります。
優劣関係が分かった後は、最も通貨と最も弱い通貨を選んで取引することで、より安定した利益が期待できます。
通貨ペアの強弱を調べてエントリーする方法は安定した利益が期待できますが、万能ではないので注意が必要です。
より予想精度を高めるためにも、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析といった他の分析手法も組み合わせながら取引することを心掛けましょう。