株式会社インベストメントカレッジ
吉田健吾
累計12万5000人以上の個人投資家が学ぶ投資スクール「Daily Wealth」の運営責任者。講師には、カリスマFXトレーダーの維新の介を始め、毎年億を稼ぐプロトレーダー、不動産投資歴19年の元祖サラリーマン大家、FX・株・先物・不動産投資、ベンチャーキャピタルなど幅広く精通する大分の投資家など、一流のトレーダー・投資家がいる。
FXには為替変動を分かりやすくするローソク足がありますが、1分足・5分足・1時間足・4時間足・日足・週足といったように様々な種類があります。
中でも、4時間足は数多くのFXトレーダーが利用する時間足ですが、なぜ4時間足がよく使われているのでしょうか?
そこで今回は、FXの時間足の中でも4時間足がよく使われている理由とメリットについて分かりやすく解説します。
Contents
FXでは4時間足がおすすめ?
FXでは、現在の為替と比べて将来的に為替が上がるか下がるかを予想して取引することで差益を得ます。
継続的に安定して利益を得るためには、予想精度を上げる必要がありますが、予想精度を高めるために用いるものの1つにローソク足があります。
ローソク足とは、一定の時間内にどのような為替変動が生じたのかを分かりやすく表したものです。
ローソク足には1分足・5分足・1時間足・4時間足・日足・週足などのように数多くの種類があります。
1分足や5分足といった短い時間足では、短期的な為替変動の情報を得ることが可能です。
そのため、スキャルピングやデイトレードのトレーダーに適しています。
一方、4時間足や週足といった長い時間足では、長期的な為替変動の情報を得ることが可能です。
ですから、スイングトレードのトレーダーに適しています。
しかし、スキャルピングやデイトレードのトレーダーは4時間足を使った取引をしている人も多くいます。
4時間足を使った取引にはどんなメリットがあるのでしょうか?
短い時間足より騙しが少ない
1分足や5分足などの短い時間足で上昇トレンドが生じていても、4時間足や日足などでは下降トレンドが生じている場合があります。
このような状況では、短期的には上昇トレンドかもしれませんが、相場自体の流れは下降トレンドであるため、騙しによって大きな損失を抱える可能性があるので注意が必要です。
短い時間足は長い時間足の中に含まれるため、短い時間足がトレンドを表していても長い時間足のトレンドと逆になっている時には、長い時間足の影響を受けます。
そのため、長い時間足である4時間足は短い時間足と比べると騙しが少なくなるため、スキャルピングやデイトレードのトレーダーも相場全体の流れを把握するためによく用いています。
スイングトレードのメリット
4時間足などの長い時間足に基づいてスキャルピングやデイトレードで利益を得ることも可能ですが、4時間足がよく用いられるのは、数日~数週間ポジションを保有するスイングトレードです。
スイングトレードにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
スイングトレードのメリットは以下の3つです。
- 手数料を少なく抑えられる
- スワップポイントが得られる
- 仕事と両立しやすい
それぞれのメリットについて見ていきましょう。
手数料を少なく抑えられる
FXには、スプレッドと呼ばれる買値と売値の差があります。
スプレッドは、FX業者が設定している事実上の手数料のようなもので、各FX業者でそれぞれ異なっています。
例えば、1万通貨の取引でかかる手数料が30円で、スキャルピングで1日10回取引すると300円、デイトレードで1日3回取引すると90円の手数料です。
一方、スイングトレードは保有期間が長いため、数日~数週間で30円の手数料が発生するだけです。
取引期間を1ヵ月、1年単位で考えると、1回の手数料が30円でも大きく異なるでしょう。
スワップポイントが得られる
ポジションを持ち越さずに1日で取引を終わらせるスキャルピングやデイトレードでは、スワップポイントと呼ばれる金利を得るための条件を満たさないのが一般的です。
しかし、スイングトレードでは、ポジションを持ち越しているのでスワップポイントを得るための条件を満たします。
そのため、スイングトレードでは、売買による差益だけでなく金利も狙うことができます。
スワップポイントは毎日得られるため、少しずつでも確実に利益を得られるでしょう。
仕事と両立しやすい
1分足や5分足の場合は、常にチャートを見ながらその時の変化に合わせて取引する必要があります。
そのため、FXの取引をする時間に余裕がない場合は1分足や5分足にチェックしながら取引することはなかなか困難です。
しかし、4時間足の場合は、常にチャートを見る必要はありません。
チャートのチェックは4時間ごとで済むため、トイレ休憩や昼休憩の際にサッとチェックしてタイミングが合えば取引するという流れになります。
仕事とFXを両立しやすいため、効率良く利益を得られるでしょう。
スイングトレードのデメリット
手数料を少なく抑えられる・スワップポイントが得られるなどのメリットがあるスイングトレードですが、デメリットは何かあるのでしょうか?
スイングトレードのデメリットは以下の3つです。
- 取引のチャンスが少ない
- 損切り幅が大きくなりやすい
- 保有しているポジションが気になってしまう
それぞれのデメリットについて見ていきましょう。
取引のチャンスが少ない
4時間足の場合はローソク足が1つ完成するまでに4時間かかります。
複数のローソク足が完成して大きなトレンドが現れるまでには時間がかかります。
そのため、大きなトレンドを待っていると、数ヶ月に1回しかチャンスが訪れない可能性があります。
そのチャンスを逃してしまうと、また次のチャンスが訪れるまで待たなくてはなりません。
「早く取引したい」と思っている人にとっては、待つ時間が煩わしく感じて、エントリーのタイミングを誤って損失を抱える可能性があるので注意が必要です。
損切り幅が大きくなりやすい
スイングトレードには、取引のチャンスが少ないものの、1回に狙える利益が大きいという特徴があります。
しかし、1回に狙える利益が大きい一方で、損切り幅もスキャルピングやデイトレードと比べると大きくなるので注意が必要です。
勝率を高く維持できている場合には問題ありませんが、勝率が低くなって損失が重なると運用に回せる資金が減っていきます。
また、ロスカットが高く設定されているFX業者ではロスカットに発動して強制決済されやすくなるため、損切りラインを高く設定するなど注意しましょう。
保有しているポジションが気になってしまう
スイングトレードでは、ポジションの保有期間が長くなるため、日々の為替変動が気になる人も多くいます。
地政学的リスクの高まりや世界情勢の変化など、為替変動に影響を与える要因は日々起きていますが、スイングトレードではそれらに惑わされることなく保有する強い精神力が必要です。
もちろん、自分の予想とは異なる事態が生じた時はすぐに決済して損失を最小限に抑える必要がありますが、事前に決めた目標に到達するまでは決済せずに保有するのがスイングトレードです。
目先の変動が気になる人には適していないと言えるでしょう。
まとめ
FXで安定した利益を得るには、為替変動の予想精度を高める必要があります。
予想精度を高める方法の1つにローソク足がありますが、ローソク足には1分足・5分足・4時間足・日足・週足など数多くの種類があります。
1分足や5分足は短い為替変動の予想に適しているため、スキャルピングやデイトレード、4時間足は長い為替変動の予想に適していることから、スイングトレードに用いられるのが一般的です。
しかし、4時間足は長期的な取引に用いられるだけではありません。
1分足や5分足などの短い時間足は、4時間足などの長い時間足の影響を受けます。
そのため、スイングトレードだけでなくスキャルピンやデイトレードで4時間足を用いると、より安定した利益が期待できるでしょう。