株式会社インベストメントカレッジ
吉田健吾
累計12万5000人以上の個人投資家が学ぶ投資スクール「Daily Wealth」の運営責任者。講師には、カリスマFXトレーダーの維新の介を始め、毎年億を稼ぐプロトレーダー、不動産投資歴19年の元祖サラリーマン大家、FX・株・先物・不動産投資、ベンチャーキャピタルなど幅広く精通する大分の投資家など、一流のトレーダー・投資家がいる。
FXのトレードをしている人の中には、得られる利益を増やしていきたいと考えている人も多いと思います。
得られる利益を効率良く増やすことができる方法として複利運用が挙げられますが、複利運用にデメリットはないのでしょうか?
そこで今回は、FXの複利運用はおすすめなのか、複利運用について解説します。
Contents
FXの複利運用はおすすめ?
資産運用の方法には、単利運用と複利運用の2つがありますが、何が異なるのでしょうか?
単利運用とは、運用で得られた利益を除いて、常に運用額を一定に保ちながら運用する方法です。
一方で、複利運用とは、運用で得られた利益を運用額に上乗せしながら運用する方法です。
つまり、単利運用は常に運用額が変化しませんが、複利運用は運用額が変化するという点で異なります。
これだけの違いでは、単利運用と複利運用のどちらがFXに適しているか分からないという人も多いと思います。
そこでどちらが適しているか判断するために、複利運用のメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
複利運用のメリット
FXにおける複利運用の主なメリットは以下の2つです。
- 効率良く利益を増やすことができる
- 得られるスワップポイントが多くなる
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
効率良く利益を増やすことができる
例えば、単利運用では、100万円を5回運用して1回の取引で2%の利益を連続して得られたとする。
となると、運用結果は以下のようになります。
- 1回目:資金100万円、利益2万円
- 2回目:資金100万円、利益2万円
- 3回目:資金100万円、利益2万円
- 4回目:資金100万円、利益2万円
- 5回目:資金100万円、利益2万円
- 合計:利益10万円
一方、複利運用では、運用結果は以下のようになります。
- 1回目:資金100万円、利益2万円
- 2回目:資金102万円、利益2万400円
- 3回目:資金104万400円、利益2万808円
- 4回目:資金106万1,208円、利益2万1,224円
- 5回目:資金108万2,432円、利益2万1,648円
- 合計:利益10万4,080円
このように複利運用では、運用で得た利益を資金に上乗せするため、取引回数が増えるほど効率良く利益を増やせるのが大きなメリットと言えるでしょう。
得られるスワップポイントが多くなる
例えば、単利運用で1万通貨あたり毎日100円のスワップポイントが得られる通貨ペアを5日間保有していたとします。
得られたスワップポイントを毎日引き出していれば、5日間で100円×5日の500円手に入ることになります。
一方、複利運用の場合には、同じ5日では得られるスワップポイントに差が生じませんが、ポジションを増やせるまでスワップポイントが貯まった場合は、単利運用よりも得られるスワップポイントを増やすことが可能です。
複利運用では、利益だけでなくスワップポイントも増やすことが期待できるため、効率良くFXで結果を出すことができると言えるでしょう。
複利運用のデメリット
FXでの複利運用には、効率良く利益を増やすことができる・得られるスワップポイントが多くなるといったメリットがありましたが、デメリットは何かあるのでしょうか?
FXでの複利運用の主なデメリットは以下の2つです。
- 運用によって得た利益を失う可能性がある
- 動かす資金が大きくなるのでリスクも大きくなる
それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
運用によって得た利益を失う可能性がある
単利運用の場合、得られた利益は利益として確保しておくため、利益を失うということはありません。
しかし、複利運用の場合には、得られた利益を次の資金に回して利益を増やしていくため、利益が手元に残っていません。
ゼロカットシステムを採用している海外FX業者を使った取引では、複利運用でゼロカットシステムが作動すると、自己資金だけでなくこれまでの利益を全て失ってしまう可能性も。
単利運用であれば、そのような場合でも確保していた利益だけは手元に残るため、リスクが大きくなってしまう点に注意が必要です。
動かす資金が大きくなるのでリスクも大きくなる
仮に資金100万円でFXを行っていて、資金の50%でロスカットが発動するとします。
単利運用の場合は、50万円の損が生じたタイミングでロスカットが発動するため、損失は50万円です。
一方、複利運用で資金が120万円になっている場合は、60万円の損が生じたタイミングでロスカットが発動するため、損失は60万円です。
このように、動かす資金が大きくなると、為替変動の影響を大きく受けることになるため、複利運用を行う際はリスク管理を徹底する必要があると言えるでしょう。
複利運用する際のポイント
FXの複利運用は、効率良く利益を増やすことができるというメリットがある一方、損失が大きくなりやすいというデメリットがあります。
このデメリットを少しでも軽減しながら複利運用する際のポイントとして以下の3つが挙げられます。
- 資金管理を徹底する
- 損切りを徹底する
- 通貨ペアを分散する
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
資金管理を徹底する
複利運用では、得た利益を次の資金額に上乗せしていきますが、資金額を増やすほどリスクが大きくなります。
しかし、常に資金全額でFXの取引するのではなく、自信がない相場の場合は無理をせずに少ない資金で取引すれば、予想が外れた場合のリスクを抑えることが可能です。
自信がある相場の場合に資金額を増やして取引するよう心掛ければ、リスクを抑えながら効率良く利益を得られるようになるでしょう。
損切りを徹底する
得られた利益を資金に回す複利運用では、ロスカットが発動した場合の損失が大きいというデメリットがありました。
しかし、損切りを徹底するように心掛けることによって、そのデメリットを克服することが可能です。
自分の損失の許容範囲を決めておき、あらかじめ損切りを設定していれば、急な為替変動が発生しても大きな損失を抱えずに済むでしょう。
通貨ペアを分散する
複利運用は取引で生じた利益を資金額に上乗せしますが、その増えた資金を1つの通貨ペアに集中投資しなければならないというわけではありません。
集中投資をすれば、その通貨ペアに急な為替変動が発生した場合のリスクを1点に受けることになります。
しかし、通貨ペアを分散していればそのようなリスクを抑えることが可能です。
為替変動が比較的安定している主要国の通貨ペア、スワップポイントの高い途上国の通貨ペアなどをうまく組み合わせることが重要と言えるでしょう。
まとめ
FXには単利運用と複利運用の大きく2つの運用方法があります。
単利運用では一定額しか運用しないため、大きな利益が期待できません。
しかし、複利運用では運用によって生じた利益を資金に回すことで、資金額を増やしながら運用できるため、大きな利益が期待できます。
ところが、複利運用には損失が大きくなりやすいというリスクを伴います。
リスクを抑えて安定した利益を得るためにも、複利運用を選ぶ際は資金管理を徹底する・損切りを徹底するなどのポイントを心掛けながら運用しましょう。