株式会社インベストメントカレッジ
吉田健吾
累計12万5000人以上の個人投資家が学ぶ投資スクール「Daily Wealth」の運営責任者。講師には、カリスマFXトレーダーの維新の介を始め、毎年億を稼ぐプロトレーダー、不動産投資歴19年の元祖サラリーマン大家、FX・株・先物・不動産投資、ベンチャーキャピタルなど幅広く精通する大分の投資家など、一流のトレーダー・投資家がいる。
エンベロープはとてもシンプルな発想で表示されるインジケータですが、活用の仕方やエントリーのタイミングを抑えておけば、初心者のFXトレーダーでもしっかり利益を作り上げていくことが期待できるものです。
今回は、エンベロープの基礎的な使い方や、ボリンジャーバンドとの違い、そしてエンベロープを使ったスキャルピング手法での注意点も含めて解説していきます。
Contents
エンベロープってどんなもの?
エンベロープ(Envelope)には、包み・おおい・外被・封筒などの意味があり、FXにおけるエンベロープは、移動平均線に対して一定の乖離率で上下に引かれるインジケータのことで、移動平均乖離率バンドバンドなどとも呼ばれます。
移動平均線の上下におおうように引かれるため、エンベロープと呼ばれているわけですね。
エンベロープは移動平均線から一定の乖離率で引かれるため、その形は移動平均線と全く同じものとなり、違いがあるとしたら移動平均線から乖離している点だけとなります。
移動平均線から乖離しているという点では、エンベロープによく似たインジケータとしてボリンジャーバンドが頻繁に利用されています。
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは、1980年代にアメリカのジョン・ボリンジャー氏によって生み出されたテクニカル指標で、エンベロープが移動平均線と全く同じバンドを形成するのに対し、ボリンジャーバンドは値動きの標準偏差を算出して形成されます。
そのため、ボリンジャーバンドは激しい値動きがあると、その標準偏差を計算に入れる影響によってバンドの幅が大きく拡大したり、そもそも移動平均線に比べて収縮や拡散が繰り返されるものですので、トレンドやレンジの判断に使われることがあります。
一方で、エンベロープは必ず移動平均線に並行して動きますので、やはり乖離がどの程度なのかを把握するために用いることが一般的です。
エンベロープを有効的に使う方法とは?
エンベロープは移動平均線に対して、どの程度の乖離があるのかを目視するために使用するため、一本のバンドではなく複数のバンドで細かい乖離率で表示させたほうが、より乖離の距離感を掴むことができるようになります。
好みにもよりますが、エンベロープを1〜6まで6つ設定してみると、下記のような感じになります。
エンベロープ
- 0.40%(エンベロープ6)
- 0.30%(エンベロープ5)
- 0.25%(エンベロープ4)
- 0.20%(エンベロープ3)
- 0.15%(エンベロープ2)
- 0.10%(エンベロープ1)
移動平均線
- 0.10%(エンベロープ1)
- 0.15%(エンベロープ2)
- 0.20%(エンベロープ3)
- 0.25%(エンベロープ4)
- 0.30%(エンベロープ5)
- 0.40%(エンベロープ6)
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↑この画像のようなイメージです
エンベロープは、レートの動きが移動平均線に対してどの程度の乖離になってるかを目視で確認しやすくなりますので、エンベロープにレートの上下に差し掛かることを目安に、上限では「売り」、下限では「買い」の判断材料の一つとします。
ロウソク足のヒゲの出方や、エンベロープに接触しているなどの兼ね合いもありますが、基本的にはエンベロープ1よりもエンベロープ6に近いところでエントリーしたほうが勝てる(利益に繋がる)可能性は高くなり、利食い損切り幅も広くなります。
これは、ロウソク足が移動平均線から離れれば離れるほど、元に戻ってくる力が強まるという習性があるためです。
ロウソク足がエンベロープ6に近づいているということは、その逆に戻っている可能性は非常に高く、ロウソク足がエンベロープ1付近であるということは、逆に戻っていく力はまだそれほど大きくないと考えられます。
そのため、ロウソク足がエンベロープ1よりもエンベロープ6により近いほうが、反転の目安にしやすいということになります。
エンベロープをは特に1分足でのスキャルピングに向いているインジケータだと言われることが多く、細かくpipsを重ねていく中でより大きく獲得するためにも、エンベロープは必ず複数表示させておくことをおすすめいたします。
ただし、エンベロープを表示させてエントリーをする場合にいくつかの注意点があります。
エンベロープを使ったエントリーの注意点とは?
エンベロープを使ってスキャルピングをしていく際に、注意しておくべきタイミングというものがあります。
これはスキャルピングに限らずFXトレーダーであれば知っておくべきことですが、特にエンベロープを使用している場合には、下記のタイミングに注意してください。
注意1:要人の発言、選挙期間等
影響力の大きい外国の要人による発言は、相場が大きく変化しやすいため、エンベロープなどのインジケータが拾いきれず機能しないことが多いです。
選挙期間などは一定の期間ずっと安定しない相場の値動きが考えられますので、エンベローブのようなインジケータをエントリーの根拠としている場合は、その期間中のトレードは避けることをおすすめします。
注意2:経済指標の発表時
経済指標が発表された直後も相場が大きく変動し、発表された内容によって変動する内容が変化するため、インジケータが機能しにくい状況となってしまいます。
経済指標については発表の時間が予め決まったいるため、経済指標カレンダーなどをチェックして、その時間を避けるようにすることが重要です。
その他
他にも、ちょっとしたことで価格が変動してしまうような時を意識的に注意しておくことです。
例えば年末年始・夏季休暇時、クリスマス前後などは、市場参加者が通常時よりも極端に少ないことが予想されますので、流動性が低く値動きが小さくなる半面、そういったタイミングで大きな注文が入ると、価格が極端な動きをすることがあります。
また、強いトレンドが発生し価格が移動平均線にいつになっても戻ってこないようなこともあり得るので、1分足と言えども大きな時間軸でのチャート意識を持っていくことが大切です。
注意点のポイントとして、「通常ではない相場の動きが予想される時には、エンベロープが機能しない可能性が高い」事を念頭に入れておくと良いでしょう。
またこれらは、予め公開されている経済指標の予定を確認することで、ある程度トレードをする時間帯を意図的に避けて、リスク回避をすることができます。
まとめ
FXで稼ぐための手法は、基礎的なことからテクニカルなこと、経験を踏まえた独自なものなどたくさんありますが、エンベロープを活用したスキャルピング手法は、誰でも簡単に理解でき、しっかり取り組めば利益を積み重ねていくことが期待できます。
さらに、注意すべきポイントも理解しておけば、被る必要のない損失も回避できるようになり、利益と損失のバランスの改善とともに、勝てるエントリーポイントの発見力も身につくようになります。
これからFXを始める方も、すでにFXトレーダーとして活動している方も、エンベロープを上手く活用して、勝てるトレードに繋がるよう今回の記事を参考にしてみてください。