株式会社インベストメントカレッジ
吉田健吾
累計12万5000人以上の個人投資家が学ぶ投資スクール「Daily Wealth」の運営責任者。講師には、カリスマFXトレーダーの維新の介を始め、毎年億を稼ぐプロトレーダー、不動産投資歴19年の元祖サラリーマン大家、FX・株・先物・不動産投資、ベンチャーキャピタルなど幅広く精通する大分の投資家など、一流のトレーダー・投資家がいる。
FXには、米ドル円やユーロ円、豪ドル円やNZドル円などの数多くの通貨ペアがあります。
これらの通貨ペアの中から、自分の得意とする通貨ペアを選んで取引します。
米ドルは世界の基軸通貨で取引量が多いことから、米ドル円は比較的安定した為替変動が生じやすいですが、ユーロ円はどのような特徴があるのでしょうか?
そこで今回は、ユーロ円の特徴について分かりやすく解説します。
Contents
FXのユーロ円はどう取引する?
FXでは、米ドル円やユーロ円などの数多くある通貨ペアの中から自分に合った通貨ペアを選んで取引します。
取引できる通貨ペアはFX業者ごとに異なりますが、20通貨ペア程度が一般的です。
100種類以上の通貨ペアを扱っているFX業者もあるため、少しでも多くの通貨ペアを取引してみたいという人は、そのような業者で口座を開設することをおすすめします。
米ドル円やユーロ円、豪ドル円、NZドル円、英ポンド円、カナダドル円など円が関連する通貨を扱っているFX業者は多いと言えます。
しかし、南アフリカランド円、トルコリラ円といったマイナー通貨ペアを取り扱っていないFX業者も多いので、取引したい通貨ペアが含まれているか事前に確認しておくことが重要です。
ユーロ円はメジャー通貨ペアであるため、ほぼ全てのFX業者で取引することが可能です。
では、ユーロ円の通貨ペアを取引する際はどう取引すればいいのでしょうか?
特徴と上昇・下落要因について見ていきましょう。
ユーロ円は合成通貨
ユーロ円の通貨ペアは、実際のマーケット市場では取引されることはほとんどありません。
では、なぜ為替変動が生じるのでしょうか?
ユーロ円の為替変動が生じる背景には、ユーロドルとドル円の2つの通貨ペアが関係しています。
これらの通貨ペアの為替変動の影響を受けて、ユーロ円も変動するのでユーロ円は合成通貨と呼ばれています。
そのため、ユーロ円の取引をする際は、ユーロドル、米ドル円の通貨ペアの為替変動を必ず確認する必要があると言えるでしょう。
ユーロ円の上昇要因
ユーロ円のファンダメンタルズ分析を行う際には、国際情勢や政治、金融政策などの要因をしっかりチェックすることが重要です。
テロや戦争といった地政学的リスク、金融不安が緩和した場合には、ユーロ円の上昇要因となります。
他にも、EU加盟諸国の政治不安の解消なども要因として挙げられます。
特にユーロ円で重要なのは、ECBの金融政策です。
ECBが量的緩和政策を終了する、利上げを実施した場合にはユーロ円の上昇が期待できます。
EUの加盟国であったイギリスの離脱問題の影響を受けてユーロは不安定な状態が継続しています。
合意ありの離脱の場合にはプラスの要因として働くため、どのような離脱になるかしっかり確認しておく必要があるでしょう。
ユーロ円の下落要因
ユーロ円の下落要因は、先ほど触れたユーロ円の上昇要因のほぼ反対と考えておけば問題ありません。
例えば、ECBによる利上げの先送り、EU加盟国の財政悪化などです。
特に注目すべきなのが、トルコリスクとイギリスの合意なきEUの離脱です。
ECBによる利上げの先送り、EU加盟国の財政悪化などは、事前にある程度予想できますが、トルコリスクとイギリスの合意なきEU離脱は今後どうなるか予想できません。
急にトルコリスクが高まる、イギリスの合意なきEU離脱の可能性が高まった場合は、急なユーロ円の変動が生じる可能性があるので十分に注意が必要です。
FXでユーロ円を取引する際のポイント
FXでユーロ円を取引する際は、以下の3つのポイントを押さえておくことが重要です。
- ユーロ円の動く時間帯を確認する
- ユーロドルと米ドル円の値動きを確認する
- レバレッジを調整する
それぞれのポイントについて見ていきましょう。
ユーロ円の動く時間帯を確認する
FXは土日を除いて24時間取引できますが、常に活発な取引が行われているというわけではありません。
そのため、ユーロ円で効率良く利益を得るには、ユーロ円の動く時間帯がいつなのか事前に確認しておくことが重要です。
ユーロは欧州通貨であるため、欧州の取引所が取引を開始する時間帯になるとユーロ円の為替も少しずつ動き出します。
欧州の取引所が取引を開始する時間は日本時間の16時頃ですが、欧州ではサマータイムが導入されているので冬の時期は1時間遅れて17時頃になるので注意が必要です。
その後は、サマータイムでは20時頃、冬の時期は21頃までは活発な取引が行われるため、その時間帯を狙って取引すれば効率良く利益を得ることができるでしょう。
ユーロドルと米ドル円の値動きを確認する
ユーロ円には、ユーロドルと米ドル円の為替変動の影響を受けるという特徴がありました。
そのため、ユーロ円の取引をする際は、ユーロドルと米ドル円の為替変動を確認することが必須と言えます。
例えば、ユーロドルが上昇して米ドル円が下落している、ユーロドルが上昇して米ドル円が下落している状況は明確なトレンドが発生しているとは言えません。
ユーロ円のトレンドをしっかり見極めるためには、ユーロドルが上昇して米ドル円も上昇、ユーロドルが下落して米ドル円も下落といった条件が揃っていることが重要です。
そのような状況では、ユーロ円も同方向に向かって大きな為替変動が生じる可能性が高いと言えるため、大きな利益が期待できるでしょう。
レバレッジを調整する
基軸通貨であるドル円は、取引量も多いことからあまり大きな為替変動が生じることはありません。
しかし、ユーロ円は米ドル円と比べて板が薄く、様々な要因の影響を受けることから変動が大きくなりやすいという特徴があります。
日本のFX業者は最大レバレッジを25倍に規制しており、米ドル円の場合は余程の事態が生じない限りはロスカットが生じにくいと言えます。
ところが、ユーロ円は通常時の為替変動が米ドル円より大きく、トルコリスクやイギリスのEU離脱問題の影響を受けて大きな為替変動が生じる可能性も。
ユーロ円で米ドル円と同様に高いレバレッジを聞かせた取引をしていると、ロスカットのリスクが高くなるので、レバレッジを調整してリスク管理を徹底することが重要と言えるでしょう。
ユーロ円のスプレッドに注意
米ドル円と比べるとユーロ円はそこまで主要な通貨ペアとは言えません。
FX業者は主要な通貨ペアのスプレッドを狭く設定することによって、少しでも多くのトレーダーに口座を開設してもらおうとしています。
そのため、スプレッドが狭い米ドル円と同じ感覚でスキャルピングやデイトレードなどの細かな取引を行っていると、利益に対する手数料の割合が高くなってしまいます。
そのため、ユーロ円を取引する際には、スプレッドが狭いFX業者かどうか確認するほか、十分に利益を確保できているか確認してから決済することを忘れないようにしましょう。
まとめ
FXには数多くの通貨ペアがあります。
しかし、各FX業者で取引できる通貨ペアは異なり、一般的なFX業者で20通貨ペア程度、多いFX業者で100通貨ペア以上の取引が可能です。
ユーロ円は日本のトレーダーにとって馴染みある通貨ペアかもしれませんが、合成通貨と呼ばれており、通貨単体での為替変動よりもユーロドルや米ドル円の影響を受けるという特徴があります。
ユーロ円の取引を行う際には、ユーロ円の動く時間帯やユーロドルと米ドル円の値動きを確認するなど、ユーロ円の特徴をしっかりと理解してから取引しましょう。