株式会社インベストメントカレッジ
吉田健吾
累計12万5000人以上の個人投資家が学ぶ投資スクール「Daily Wealth」の運営責任者。講師には、カリスマFXトレーダーの維新の介を始め、毎年億を稼ぐプロトレーダー、不動産投資歴19年の元祖サラリーマン大家、FX・株・先物・不動産投資、ベンチャーキャピタルなど幅広く精通する大分の投資家など、一流のトレーダー・投資家がいる。
FXに興味を持っている初心者の中には、ドル円やユーロドルなどの通貨ペアの種類が多く、どの通貨ペアで取引を始めればいいか分からないという人も多いのではないでしょうか?
通貨ペアの中には、値動きが激しくリスクが高い通貨ペアもあるため、事前にどのような通貨なのかを理解してから取引することが重要です。
そこで今回は、ユーロドルがFX初心者に適しているか、ユーロドルの特徴とともに詳しく解説していきます。
Contents
初心者にユーロドルの取引はおすすめ
世界中には約200の国々がありますが、それぞれの国が独自の通貨を有しています。
FXはそれらの通貨を取引して差益を得ますが、全ての国の通貨が取引対象というわけではなく、米ドルやユーロ、ポンド、円といった主要国の通貨やトルコリラ、ランドなどの新興国の通貨に限られています。
取引できる通貨の種類はFX業者によってそれぞれ異なりますが、20通貨ペアが平均的で、取り扱いの多いFX業者では100通貨ペアを超える取引が可能です。
「取り扱い量が少ない業者よりも多い業者がいい」と感じる人も多いかもしれませんが、実際は多ければいいというものではありません。
FXではテクニカル分析やファンダメンタルズ分析を駆使しながら為替変動を予想しますが、通貨ペアの中には変動にムラがあってテクニカル分析では判断できないものもあります。
また、ファンダメンタルズに過剰反応して大幅な変動が生じるものもあるので、初心者に適した通貨ペアは限られていると言えます。
初心者におすすめの通貨ペアとして、ドル円が挙げられることも多いですが、ドル円が初心者におすすめの理由は取引量が多く安定した為替変動をしているためです。
しかし、ドル円は世界で取引量が最も多い通貨ペアではなく、ユーロドルが最も多いです。
そう考えると、ユーロドルも安定した推移をしているため、初心者におすすめできると言えます。
FXには他にどのような通貨ペアがあるのでしょうか?
対円通貨、対米ドル通貨、対ユーロ通貨の特徴についてそれぞれ見ていきましょう。
対円通貨の特徴
対円通貨の代表的なものとして、以下の8通貨が挙げられます。
- 米ドル
- ユーロ
- 英ポンド
- 豪ドル
- NZドル
- カナダドル
- スイスフラン
- 南アフリカランド
米ドルやユーロは、取引量が多く値動きが比較的穏やかであるため、FX初心者にも人気の通貨です。
一方、英ポンドは短期間での値動きが大きいため、初心者にはリスクが高いと言えます。
豪ドル、NZドル、カナダドルはそれぞれの国の通貨であるにもかかわらず、豪ドルは米・中・日の影響、NZドルは豪ドルの影響、カナダドルは米ドルの影響をそれぞれ受けます。
スイスフランも比較的取引量が多く、有事の際の避難先として扱われます。
ランドは主要通貨ではありませんが、高いスワップ金利で人気を集めているのが特徴です。
対円通貨に馴染みがある人も多いと思いますが、通貨によって特徴が異なります。
大きな変動に巻き込まれて損する可能性もあるため、FX初心者が対円通貨を取引する際はドル・ユーロなどを選んだ方が良いでしょう。
対米ドル通貨の特徴
対米ドル通貨の代表的なものとして、以下の5通貨が挙げられます。
- ユーロ
- 英ポンド
- 豪ドル
- NZドル
- スイスフラン
ユーロは市場で最も取引されている通貨で、安定した為替変動が期待できるため、初心者に適した通貨ペアです。
英ポンドはハイリスク・ハイリターン、豪ドルは高スワップ金利で人気、NZドルは豪ドルと同じ変動であるものの人気薄、フランは有事の際の避難先という特徴があります。
対円通貨とは異なり、変動要因が分かりにくいため、FXの初心者はユーロドル以外の通貨ペアは取引しない方が無難と言えるでしょう。
対ユーロ通貨の特徴
対ユーロ通貨の代表的なものとして、以下の4通貨が挙げられます。
- 英ポンド
- スイスフラン
- 豪ドル
- NZドル
英ポンドは多くのFX業者で取り扱われているものの、値動きが激しく初心者には不向きと言えます。
フランは取引量が多いものの、国内の取引量は少なく人気が低いのが特徴です。
豪ドルやNZドルも比較的取引量が少ないため、何らかの要因で急な変動が生じる可能性が高く、初心者には対ユーロ通貨は全体的に適していないでしょう。
ユーロドルの特徴とは
ユーロドルは金融市場で最も取引量が多く、国際決済銀行の調査ではシェアの4分の1を占めています。
取引量が多く安定した変動が生じやすい点では、初心者に人気のドル円と同様の特徴があるので、FX初心者におすすめの通貨ペアと言われています。
ユーロドルには他にどういった特徴があるのでしょうか?
ユーロドルの主な特徴は以下の2つです。
- ユーロドルはトレンドが分かりやすい
- スワップ金利が大きい
それぞれの特徴について見ていきましょう。
ユーロドルはトレンドが分かりやすい
ユーロドルの特徴の1つ目は、トレンドが分かりやすいことです。
FXの初心者が安定した利益を得るには、トレンド分析を駆使して為替変動を予想する必要がありますが、変動が安定していない通貨はトレンド分析しづらいと言えます。
しかし、ユーロドルはトレンドが生じやすく、偏り始めるた場合にはそのままトレンドに沿った変動が続くケースが多いというのが特徴です。
そのため、FX初心者でもトレンドが上昇なのか、下降なのかはチャートを見れば判断することができるため、FX初心者にもおすすめの通貨と言えます。
反対に、トレンドが生じているにもかかわらず、「そろそろ反転かな?」と逆張りしようとすると、トレンドに沿ったままが続いて損をする可能性が高いため、基本は順張りで取引しましょう。
スワップ金利が大きい
ユーロドルの特徴の2つ目は、スワップ金利が大きいことです。
FXは、為替差益を狙った取引だけでなく、金利差のスワップを狙った取引もあります。
スワップ金利が高い通貨と聞くと、トルコリラや南アフリカランドを想像する人も多いと思いますが、米ドルも政策金利によって高スワップが期待できます。
ユーロドルの取引でスワップが得られるのは、売りポジションです。
ユーロドルは、2014年ギリシャ問題、2016年イギリスのEU離脱、2018年イタリア政治情勢問題などのリスクを抱えているため、長期的な下降トレンドの中にあります。
ギリシャ問題が再燃する可能性やイギリスのEU離脱延期で混乱している状況を考えると、今後も下落トレンドが継続する可能性が高いため、スワップを狙ったFX初心者にもおすすめの通貨ペアと言えるでしょう。
ユーロドルが活発になるのは14時以降
FXは、土日を除いて24時間取引できますが、常に取引が活発というわけではありません。
通貨によって取引が活発になる時間は異なるため、その通貨の特徴を把握しておくことが重要です。
ユーロドルはヨーロッパの取引市場で積極的に取引されるため、ヨーロッパの取引市場が始まる15時より少し前の14時くらいから徐々に取引が増え始めます。
その後、18時頃に経済指標が発表され、1日のトレンドが決まるのが一般的な流れです。
その後は、22時30分~24時頃にかけてアメリカの経済指標の発表の影響を受け、さらに大きな変動が生じます。
日中働いているサラリーマンにとっては、ちょうど取引しやすい時間に変動が活発になるため、18時以降のトレンドを見ながらその時間に取引を始めると良いでしょう。
まとめ
FX初心者が通貨ペアを選ぶ際には、取引量が多く安定した為替変動が生じている通貨ペアを選ぶのが重要です。
日本人にとってはドル円の馴染みがあるため、初心者の中にはドル円から始める人も多いですが、ユーロドルも取引量が多く安定した為替変動が生じるため、初心者におすすめの通貨ペアと言えます。
しかし、ドル円の場合には、主にアメリカの情報に耳を傾けていれば問題ありませんが、ユーロドルの場合は、アメリカとユーロの両方の情報に耳を傾けている必要があります。
より多くの情報収集が必要になるため、対策をしっかりと練ってから取引を始めましょう。