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FXのFIFO注文とは?FIFO注文のメリットとデメリット!

投稿日:2019年10月9日 更新日:

この記事の監修

株式会社インベストメントカレッジ 
吉田健吾

累計12万5000人以上の個人投資家が学ぶ投資スクール「Daily Wealth」の運営責任者。講師には、カリスマFXトレーダーの維新の介を始め、毎年億を稼ぐプロトレーダー、不動産投資歴19年の元祖サラリーマン大家、FX・株・先物・不動産投資、ベンチャーキャピタルなど幅広く精通する大分の投資家など、一流のトレーダー・投資家がいる。

経済指標が発表される、または要人発言があると、為替変動が大きくなることがあります。

そのような時に、保有中のポジションを1つ1つ決済していると時間がかかってしまい、チャンスを逃す、または損失が大きくなってしまう可能性があります。

そこで登場するのがFIFO注文です。FIFO注文とはどんな注文方法なのでしょうか?

今回はFXのFIFO注文とはどのようなものか、メリット・デメリットなどとともに分かりやすく解説します

FXのFIFO注文とは

FXのFIFO注文とは

FXで通貨の取引をする際は、指値注文成行注文といった注文方法を利用するのが一般的です。

指値注文とは、為替がいくらになった時に決済するという注文方法のことで、注文が並んでいる板に自分の注文も並びます。

指値まで為替変動が生じた場合には約定しますが、変動しない場合には約定しません。

成行注文とは、決済する価格を決めずに現在の価格ですぐに取引を成立させる注文方法のことで、注文が並んでいる板に自分の注文は並びません。

現在の価格が仮に1通貨100円ピッタリでも、板に並んでいる注文数が少ないと注文に応じて約定価格が上下に変動する可能性があります。

通常の指値・成行注文では、新規に買い注文を入れると新しい買いポジションを持ちます。

追加で買い注文を入れると買いポジションが増え、売りを入れると買いポジションと売りポジションの両方を持つことに。最初の買いポジションを決済するには、買い注文を選んで決済しなければなりません。

FIFO注文とは、古い注文から順に成行注文で決済していく注文方法のことです

例えば、買いポジションを持っていて売り注文を入れると通常は両方のポジションを持ちますが、FIFO注文では買いポジションが決済されます。

売り注文の数が多いと、買いポジションが決済されるだけでなく新規に売りポジションを保有することになります。

FIFO注文のメリット

FIFO注文のメリット

FXのFIFO注文では、追加注文はポジションが増える一方で、反対の注文は決済されるのでポジションが増えません。

このFIFO注文には、どのようなメリットがあるのでしょうか?

FXのFIFO注文のメリットは以下の2つです。

  • 複数のポジションを一気に決済できる
  • 機会損失を減らせる

それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

複数のポジションを一気に決済できる

1つ目のメリットは複数のポジションを一気に決済できることです。

通常は、保有しているポジションを選択して1つずつ決済するため、複数のポジションを保有している場合には全てのポジションの決済が完了するまでに時間と手間がかかります。

しかし、FIFO注文の場合には、1回の反対注文で全ての保有しているポジションを決済することが可能です。

つまり、経済指標の発表や要人発言などで急に大きな為替変動が生じて、急いで決済しなければならない時でも希望に近い価格で速やかに約定できます

そのため、利益が生じている時には利益を最大限、損失が生じている時には損失を最小限に抑えることが期待できるでしょう。

機会損失を減らせる

もう一方のメリットは機会損失を減らせることです。

機会損失とは、チャンスがあったにもかかわらずそのチャンスを取り損ねてしまうことです。

例えば、予想とは異なる方向に為替変動が生じたとします。

保有中のポジションを1つずつ損切りしてからポジションを切り替えようとすると、時間の経過とともに損失が大きくなるほか利益も逃してしまいます。

しかし、FIFO注文であれば、反対注文の数を増やすことで1回の注文で反対ポジションを保有することが可能です。

このようなポジションを切り替えることをドテンと言いますが、スキャルピングやデイトレードなどではドテンを行う機会も多いため、FIFO注文にすれば機会損失を減らすことに期待できるでしょう。

FIFO注文のデメリット

FIFO注文のデメリット

複数のポジションを一気に決済できる・機会損失を減らせるというメリットのあったFIFO注文ですが、どのようなデメリットがあるのでしょうか?

FIFO注文のデメリットは以下の3つです。

  • 決済するポジションを選べない
  • 両建てできない
  • FX会社が限られている

それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。

決済するポジションを選べない

1つ目のデメリットは決済するポジションを選べないことです。

FXの取引をしている人の中には、失敗したポジションを塩漬けさせて回復するまで待っている人もいると思います。

しかし、FIFO注文では、どのポジションを決済してどのポジションを残しておくといった選択ができません

例えば、スワップポジションを目的としたポジションや長期的運用のためのポジションを保有している状況で、FIFO注文で反対注文するとそれらが決済されてしまいます。

本来の目的を達成できなくなってしまうので注意が必要です。

両建てできない

次のデメリットは両建てできないことです。

経済指標の発表や要人発言などのイベントが控えていると、その後の変動は指標の結果や発言の内容によって左右されるため、どちらに為替変動が生じるかの予想は困難です。

そのため、ポジションを保有している人の中には、反対の変動が生じた時のリスクを回避するために両建てする人も多くいます。

しかし、FIFO注文では両建てできません

FIFO注文は同じポジションの保有または追加、保有ポジションの決済やポジションの切り替えなどはできても、違うポジションを同時に保有できないため、リスク回避の選択肢を失うことになります

そのため、両建てが必要な状況では、取引するリスクが高くなってしまうでしょう。

FX会社が限られている

最後のデメリットはFX会社が限られていることです。

スキャルピングやデイトレードではドテンを行う機会も多いため、FIFO注文が適していると言いました。

そのため、FIFO注文できるFX会社で口座の開設を検討している人もいるかもしれませんが、全てのFX会社でFIFO注文を扱っているわけではありません。

FIFO注文を扱っているFX会社は限られており、その中から取引に使用するFX会社を選ぶ必要があります

気に入っているFX会社がFIFO注文を扱っていれば問題ありませんが、FX会社ごとに事実上の手数料となるスプレッドやトレードに使用するシステムは異なっています。

FX会社によっては条件が悪い可能性もあるため、FIFO注文の利用を検討している場合にはしっかりとFX会社の特徴を理解してから口座を開設しましょう。

デメリットを解消するには、複数の口座を開設するべし

デメリットを解消するには、複数の口座を開設するべし

FIFO注文できるFX会社の口座にこだわると、両建てできないスワップポジションを目的とした取引ができないなどのデメリットがあります。

それらのデメリットを解消するための方法として挙げられるのが、複数の口座を開設するという方法です。

FIFO注文をするためのFX口座とそれ以外の注文をするためのFX口座にあらかじめ分けておけば、どのような取引スタイルにも対応できます

リスクを抑えながら取引するためにも複数の口座を開設しておいた方が良いと言えるでしょう。

まとめ

まとめ

FXのFIFO注文とは、反対注文を行った時に、両方のポジションを保有するのではなく古いポジションから順番に決済していくという注文方法でした。

そうすることで、ポジションを一気に決済できるため、機会損失を減らすことに期待できます

しかし、FIFO注文には、両建てできない・FX会社が限られているなどのデメリットがあります。

メリットだけでなくデメリットも伴う注文方法であるため、FXでFIFO注文を利用する際はそれらのメリットとデメリットをしっかりと理解してから利用しましょう。

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