株式会社インベストメントカレッジ
吉田健吾
累計12万5000人以上の個人投資家が学ぶ投資スクール「Daily Wealth」の運営責任者。講師には、カリスマFXトレーダーの維新の介を始め、毎年億を稼ぐプロトレーダー、不動産投資歴19年の元祖サラリーマン大家、FX・株・先物・不動産投資、ベンチャーキャピタルなど幅広く精通する大分の投資家など、一流のトレーダー・投資家がいる。
資産運用には、株式投資や外貨預金、FX、不動産投資、投資信託、仮想通貨投資など様々な運用方法があります。
それらの中から自分の運用方針に合う運用方法を選んで資産運用を行います。
外貨預金とFXは、各国が発行している通貨を運用するという点は同じですが、どのような違いがあるのでしょうか?
そこで今回は、外貨預金とFXの違いについて解説します。
Contents
外貨預金とFXの違いは何?
生活費の足しや老後に備えるためなど、様々な目的で資産運用を検討している人は多いと思います。
資産運用と言っても、多くの運用方法があります。
資産運用でリスクを抑えながら安定した利益を得るためには、運用を始める前にそれぞれの運用方法の違いを理解しておくことが重要です。
外貨預金とFXは、どちらも各国が発行している通貨を運用するという共通点がありますが、何か違いはあるのでしょうか?
外貨預金とFXの違いについて見ていきましょう。
外貨預金とFXの7つの違い
外貨預金には、以下の5つの違いがあります。
- 運用期間
- 取引手数料の高さ
- 資金効率の良さ
- 利息を受け取れるタイミング
- エントリーの手段
- 万が一の保証があるか
- 外貨を引き出せるか
それぞれの違いについて詳しく見ていきましょう。
運用期間
外貨預金の為替は1日1回しか変動しません。
そのため、外貨預金は短期間の売買で為替差益を得にくい取引環境と言えます。
外貨預金は「預金」という言葉が付くように、基本的に長期間の運用を目的としています。
一方、FXは為替変動がリアルタイムで反映されています。
そのため、外貨預金とは違い、短期間での売買で差益を得ることが可能です。
つまり、FXは基本的に短期間の運用を目的としています。
そのため、短期的な売買で大きな利益を得たい人の場合にはFX、長期的な運用で安定した利益を得たい人の場合には外貨預金など、運用目的に合う方法を選ぶことが重要と言えるでしょう。
取引手数料の高さ
外貨預金の場合は実際に外貨を手に入れることが可能です。
そのため、銀行に行って外貨の引き出しを希望すれば、外貨をそのまま受け取ることができます。
しかし、銀行は外貨を実際に仕入れなければならないため、コストがかかります。
その分のコストが手数料に上乗せされるため、外貨預金を選ぶ場合は取引手数料が高いという点に注意が必要です。
一方、FXは証拠金の範囲内でFX業者のシステムを使って取引しているだけなので、実際に外貨を手に入れることはできません。
そのため、外貨預金のように外貨を仕入れる手数料がかからないため、FXは手数料が安く設定されています。
外貨預金で頻繁に売買した場合には取引手数料が高いので損をします。
このような点から考えても、外貨預金は売買を目的としているのではなく長期間の運用を目的としていると言えるでしょう。
資金効率の良さ
外貨預金は実際に外貨と日本円を交換します。
つまり、100万円の日本円と交換できるのは100万円の外貨となります。
しかし、FXは実際に外貨を手に入れるわけではなく証拠金の範囲内で取引するだけなので、レバレッジという自己資金以上の取引をすることも可能です。
日本国内のFX業者を利用した場合には、金融庁がレバレッジの上限を規定しているため、最大25倍までの取引しかできません。
しかし、海外のFX業者を利用した場合には、上限が適用されないため、100倍以上の取引も可能です。
FXであれば、自己資金以上の取引に対する差益やスワップポイントと呼ばれる金利が受け取れます。
そのため、少ない資金で大きな利益を得たい場合は、外貨預金よりもFXの方が良いと言えるでしょう。
利息を受け取れるタイミング
外貨預金もFXも利息を受け取れるという点は同じですが、利息の受け取れるタイミングに違いがあります。
外貨預金は、満期時または決済時に利息を受け取ることが可能です。
しかし、FXは、毎日利息を受け取ることが可能です。
受け取った利息を使ってポジションを増やす、違う通貨を取得すればさらに利益を増やすことが期待できます。
しかし、外貨預金でポジションを増やそうとすると、一度決済して利息を受け取らなくてはなりません。
複利効果によってより効率良く利益を得られるのは、外貨預金よりFXの方が優れていると言えるでしょう。
エントリーの手段
外貨預金は実際に外貨を取得するため、買いからのエントリーしかできません。
一方、FXは実際に外貨を取得せず、証拠金の範囲内で取引するだけなので買いエントリーだけでなく売りからのエントリーも可能です。
外貨預金で為替差益を狙ったエントリーをすることはほとんどありませんが、買いからのエントリーしかできないため、上昇トレンド以外で利益を得ることができません。
そのため、取引する機会が限られていると言えます。
一方、FXは買いだけでなく売りからのエントリーもできるため、上昇トレンドだけでなく下降トレンドでも利益を得ることが可能です。
どのような相場の状況でも差益を狙うことができるため、取引によってより大きな利益を得たい人は、取引の機会が多いFXの方が良いと言えるでしょう。
万が一の保証があるか
円の普通預金や定期預金は、ペイオフによって1金融機関あたり1,000万円までの元本と利息が保証されています。
そのため、仮に金融機関が破綻した場合でもその範囲内であれば元本割れすることはありません。
しかし、外貨預金はペイオフの対象外であるため、金融機関が破綻した場合には元本を回収できなくなるので注意が必要です。
一方、FXは日本のFX業者であれば信託保全が義務化されています。
信託保全とは、会社の資産とトレーダーの証拠金を別の口座で管理することです。
そのため、仮にFX業者が破綻した場合でも、トレーダーの証拠金は別の口座でしっかりと守られているため、破綻が原因で元本を回収できなくなるということはありません。
万が一に備えながら安定した資産運用を行いたいという人には、外貨預金よりもFXの方がおすすめできると言えるでしょう。
外貨を引き出せるか
外貨預金は、実際に外貨を取得します。
そのため、外貨で決済をしなければならない場合や海外旅行で手元に外貨を持っておきたい場合には、決済に使用する、引き出して使うことが可能です。
しかし、FXは証拠金の範囲内で取引するだけで、実際に外貨を取得するわけではないので買いポジションの外貨を決済に使ったり、引き出して使ったりできません。
頻繁に海外旅行をする、決済で外貨を利用する人の場合は、為替が低い時に日本円を外貨に交換しておき、そのまま保有しておくことをおすすめします。
そうすれば、為替差益が期待できるだけでなく、いざという時には外貨を引き出して使えるでしょう。
まとめ
資産運用はリスクを伴うため、リスクを抑えながら安定した利益を得るためにも、それぞれの資産運用の違いを理解しておくことが重要です。
外貨預金とFXは、両方とも外貨を扱う運用方法であるということは同じですが、運用期間、取引手数料の高さ、資金効率の良さなどに違いがあります。
外貨預金は差益による大きな利益を得ることよりも、リスクを抑えながら利息を安定して得ることを目的としています。
一方、FXはリスクを負ってでもレバレッジを効かせることでより大きな利益を得ることを目的としています。
目的が違うため、リスクを抑えながら長期的な資産運用を目指している場合には外貨預金、リスクを負ってでも大きく資産を増やしたい場合にはFXなど、資産運用の目的に合わせて運用方法を選ぶことが重要と言えるでしょう。