株式会社インベストメントカレッジ
吉田健吾
累計12万5000人以上の個人投資家が学ぶ投資スクール「Daily Wealth」の運営責任者。講師には、カリスマFXトレーダーの維新の介を始め、毎年億を稼ぐプロトレーダー、不動産投資歴19年の元祖サラリーマン大家、FX・株・先物・不動産投資、ベンチャーキャピタルなど幅広く精通する大分の投資家など、一流のトレーダー・投資家がいる。
祝日が重なることで大型連休になるゴールデンウィーク。仕事が休みになるため、ゆっくり取引したいと思っている人もいると思います。
FXは、ゴールデンウィーク中でも問題なく取引できるのか、また取引する際の注意点はあるのでしょうか?
そこで今回は、FXはゴールデンウィークでも取引できるかどうか、ゴールデンウィークの為替変動の特徴や取引方法について解説します。
Contents
FXはゴールデンウィークでも取引できる?
株式投資は、証券取引所の開いている時しか取引できないため、証券取引所が休みの土日や祝日は取引できません。
そのため、祝日の多いゴールデンウィーク中は、平日を除いて取引できないので注意が必要です。
一方、FXは、世界中の市場の開場時間と閉場時間がうまく重なり合っているため、日本が祝日でも他の市場を介して取引できます。
そのため、祝日の多いゴールデンウィーク中でも関係なく取引できるので、仕事で忙しくて落ち着いて取引できない人にとっては、ゆっくり取引できるチャンスです。
ゴールデンウィーク中の3つの注意点
FXは、ゴールデンウィーク中に限らず普段の祝日も取引できるため、いつもの祝日の感覚で取引に臨もうとしている人がいるかもしれませんが、問題ないのでしょうか?
ゴールデンウィーク中は、祝日が連続するという点が普段の単発の祝日と異なります。
取引環境が通常の祝日と異なるケースが多く、何も知らずに取引することで大きな損失を抱える可能性もあるので注意が必要です。
ゴールデンウィーク中に取引する場合は、以下の3つの注意点があります。
- 入金できない場合がある
- 出金できない場合がある
- 板が薄く急な為替変動が生じやすい
それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。
入金できない場合がある
1つ目の注意点は入金できない場合があることです。
FXの取引をするためには、口座に入金されている必要があります。
口座に入金する方法として通常入金とクイック入金の2つが挙げられます。
通常入金は、銀行が休みの日であれば次の営業日まで入金が反映されないため、ゴールデンウィーク中の入金には適していません。
クイック入金の場合は、金融機関が営業していない時間帯や祝日でも入金できる場合があります。
しかし、大型連休を利用してメンテナンスを実施している場合には入金できません。
入金できないということは、取引できる資金が少なくなるというだけでなく、追加証拠金が必要になった時に入金が間に合わずにロスカットされる可能性が高くことを意味します。
無駄なロスカットが増える可能性があるので注意が必要です。
出金できない場合がある
ゴールデンウィーク中は、入金できないという注意点がありましたが、出金できないという注意点もあります。
入金する際は、クイック入金を活用することですぐに入金できますが、出金には早く出金する手段が基本的にはありません。
金融機関の営業日で15時までに出金依頼をかけることによって、翌営業日中に出金できるFX業者もありますが、ゴールデンウィーク中は祝日が多く複雑です。
出金依頼日が祝日、出金予定日が祝日になると、出金依頼をかけても出金完了まで時間がかかることも。
急にお金が必要になった時でも、いつものようにスムーズに出金できない場合もあるので注意が必要です。
板が薄く急な為替変動が生じやすい
最後の注意点は板が薄く急な為替変動が生じやすいことです。
祝日にいくら取引できると言っても東京市場は休場です。
東京市場は、ロンドン市場やニューヨーク市場に続く取引が活発に行われている主要な市場ですが、休場になると東京市場が閑散とします。
企業の決済といった実需による取引も行われないことで従来よりも板が薄くなっており、その板の薄さを狙って機関投資家や大口のトレーダーが仕掛けてくる可能性があります。
そうなると、為替変動が大きくなり、ロスカットや新たな注文などを巻き込むことによってさらに為替変動が大きくなることに。
大きな為替変動が生じることによって、ロスカットがうまく作動しなかった場合には、自己資金以上の損失を抱える可能性もあるので十分に注意しましょう。
ゴールデンウィーク中の取引方法
祝日が重なるゴールデンウィーク中もFXの取引はできますが、普段の取引環境とは異なる部分が多いので、それを意識した取引方法を選ぶことが重要です。
ゴールデンウィーク中の取引方法は以下の3つです。
- ポジションの量を減らす
- 分散してポジションを保有する
- ストップロスを設定しておく
それぞれの取引方法について詳しく見ていきましょう。
ポジションの量を減らす
1つ目はポジションの量を減らすという方法です。
ゴールデンウィーク中に注意しなければならないのが、急な為替変動への対策です。
いつも通り多くのポジションを保有していると急な為替変動に巻き込まれることで、大きな損失を抱える可能性が高くなります。
しかし、ポジションの量を減らしておけば、急な為替変動に巻き込まれたとしても、被害を小さく抑えることが可能です。
保有しておく必要がないポジションの場合には、ゴールデンウィークに入る前に所有している全てのポジションを解消することも方法の1つと言えるでしょう。
分散してポジションを保有する
続いては分散してポジションを保有するという方法です。
ポジションの量を減らすことで急な為替変動によるリスクを抑えられますが、複数の通貨ペアのポジションを保有してもリスクを分散することが可能です。
マイナー通貨は、通常時も為替変動が不安定になりやすいため、ゴールデンウィーク中にはさらに警戒した方が良いと言えます。
取引するのであれば、トルコリラや南アフリカランドなどのマイナー通貨ではなく、日本円や米ドルなどの主要通貨を選んで取引しましょう。
ストップロスを設定しておく
最後はストップロスを設定しておくという方法です。
ストップロスとは、予想と異なる為替変動が生じた場合に、その価格に到達した時点で決済してしまう方法です。
ストップロスを設定しておけば、急な為替変動が生じてもロスカットになる手前で損切りできます。
為替変動が不安定になりやすいゴールデンウィーク中だからこそ、よりしっかりストップロスを設定しておくようにしましょう。
スワップポイントの付与日のチェックを忘れない
FXでは、スワップポイントという株式投資の配当金に似た金利差を得ることが可能です。
スワップポイントは、土日を除いて基本的には毎日得ることができますが、市場が休みだと数日前に休みの日を含めた分のスワップポイントが反映されます。
例えば、水曜日の市場が終わった後に1日分ではなく土日を含めた3日分が付与されます。
ゴールデンウィークは、祝日によって連休が生じやすくなるため、このスワップポイントがいつどのタイミングで反映されるのかが分かりにくくなるので注意が必要です。
スワップポイントは付与されるだけでなく、反対のポジションを所有している場合には徴収されることもあります。
スワップポイントが徴収されることで大きな損失が生じるケースもあるため、ゴールデンウィークに入る前に、スワップポイントがいつどのタイミングで反映されるかをしっかり確認しておきましょう。
まとめ
FXは、土日を除いて取引できるため、祝日が重なるゴールデンウィークも取引できます。
しかし、取引できると言っても、普段と同じ環境ではありません。
ゴールデンウィーク中は入金できない・出金できない場合があるほか、板が薄く急な為替変動が生じやすいといった特徴があります。
特徴を理解しないまま取引すると、大きな損失を抱える可能性も。
ゴールデンウィーク中の取引では、ポジションの量を減らす・分散してポジションを保有するなど対策を練ってから取引するよう心がけましょう。