株式会社インベストメントカレッジ
吉田健吾
累計12万5000人以上の個人投資家が学ぶ投資スクール「Daily Wealth」の運営責任者。講師には、カリスマFXトレーダーの維新の介を始め、毎年億を稼ぐプロトレーダー、不動産投資歴19年の元祖サラリーマン大家、FX・株・先物・不動産投資、ベンチャーキャピタルなど幅広く精通する大分の投資家など、一流のトレーダー・投資家がいる。
世界中に市場があるFX市場。常にどこかの市場が取引を行っていることから、24時間取引できるのがFXの魅力です。
しかし、土日は一部の小さな市場を除いて休みであることから、月曜日は土日に生じたイベントの影響を受けて大きく変動することがあるので注意が必要です。
月曜日はどのように乗り切ればいいのでしょうか?
そこで今回は、特殊な変動になりやすい月曜日をうまく乗り切る方法について解説します。
Contents
FXは月曜日~金曜日まで24時間取引可能
FX市場は、ウェリントン市場から始まって東京市場、香港市場と少しずつ開く市場が西に移動します。
取引が活発なニューヨーク市場が閉まる頃になると再度ウェリントン市場が始まるため、FXは24時間取引可能です。
「土日も市場が開いているの?」と思った人もいるのではないでしょうか?
土日が休みという概念がない一部の市場では取引を行っていますが、市場にはほぼ影響を与えません。
そのため、日本のFX業者も、月曜日の朝から土曜日の朝にかけて24時間取引に対応しているのが一般的です。
しかし、FXは24時間取引できると言っても、24時間活発に取引が行われているわけではありません。
ウェリントン市場の取引はあまり活発ではありませんが、東京市場は両替の取引レートが決まる日本時間の午前10時近くになると徐々に取引が活発になります。
また、東京市場とニューヨーク市場の間の時間帯であるロンドン市場は世界最大の市場となっており、投機筋なども関わるので急な変動が生じやすくなります。
続いて市場規模が大きいニューヨーク市場は、21時半頃に経済指標が発表されることから荒い値動きになりやすいことが特徴です。
このようにFX市場は時間による取引量の差があるだけでなく、月曜日や金曜日など曜日による取引量の差もあります。
そのため、それらの特徴をよく理解して取引することが重要です。
曜日ごとの特徴について詳しく見ていきましょう。
月曜日の為替変動の特徴
月曜日のFX市場にはどのような為替変動の特徴があるのでしょうか?
月曜日の為替変動の主な特徴は以下の3つです。
- 基本的には大きく動かない
- 先週の流れを引き継ぐ
- 週末のイベントの影響を受ける
それぞれの特徴について見ていきましょう。
基本的には大きく動かない
月曜日の東京市場の時間帯は、活発な取引を行う欧州勢・ニューヨーク勢が日曜日でまだ休んでいます。
取引に参加するトレーダーの数が少ないため、基本的に為替相場が大きく動くことはありません。
無理に取引をせず様子を見ながら徐々に取引に参加するトレーダーが多く、ロンドン市場・ニューヨーク市場の開場に向けて少しずつ取引が活発になります。
先週の流れを引き継ぐ
月曜日のFX相場は、サプライズがない限りは先週の動きをそのまま引き継ぐ流れで相場が始まる確率が高いという特徴があります。
例えば、週末が下落トレンドの状況の中で終わった場合には月曜日も下落トレンド、上昇トレンドの状況で終わった場合には上昇トレンドということです。
この特徴を理解していれば月曜日にどのようにエントリーすればいいか戦略を練りやすいでしょう。
週末のイベントの影響を受ける
土曜日の朝に市場が終わってから月曜日の市場が始まるまでの間に、テロが発生するなど地政学的リスクが高まった場合にはどうなるのでしょうか?
基本的には先週の流れを引き続くのが一般的ですが、このように週末にイベントが生じた場合にはそのイベントに合わせた為替変動が生じます。
そのため、いくら週末の市場が休みだと言ってものんびり過ごすのではなく、市場に影響を与えるイベントが生じていないかチェックしておきましょう。
火曜日~木曜日の為替変動の特徴
月曜日は基本的に大きな為替変動が生じないという特徴がありますが、火曜日~木曜日はどのような為替変動の特徴があるのでしょうか?
火曜日~木曜日の為替変動の主な特徴は以下の2つです。
- 基本的には素直な値動きが生じやすい
- 経済指標の影響を受けて大きく動く
それぞれの特徴について見ていきましょう。
基本的には素直な値動きが生じやすい
火曜日~木曜日の為替変動は、生じているトレンドに合わせて基本的には素直な値動きが生じやすいという特徴があります。
流動性も高いことから、取引しやすい相場と言えます。
そのため、FX経験や知識の少ない初心者に取引しやすい相場環境が整っているのが火曜日~木曜日です。
経済指標の影響を受けて大きく動く
基本的には素直な値動きが生じやすい火曜日~木曜日のFX市場ですが、経済指標の発表に合わせて大きな為替変動が生じる可能性があります。
経済指標は事前に予想が発表されているため、市場の予想通りの発表内容であれば大きな為替変動が生じることはありません。
しかし、予想と異なるサプライズの内容だった時や要人発言の内容によっては大きく動くことがあります。
そのため、火曜日~木曜日の取引では、経済指標を意識して取引することが重要と言えるでしょう。
金曜日の為替変動の特徴
1週間の最終日である金曜日はどのような為替変動の特徴があるのでしょうか?
金曜日の為替変動の主な特徴は以下の2つです。
- ポジション調整が生じやすい
- 相場が薄くなりやすい
それぞれの特徴について見ていきましょう。
ポジション調整が生じやすい
土曜日と日曜日は、テロなどの為替変動に大きな影響を与えるイベントが生じる可能性があります。
そうなると、市場の開く月曜日に金曜日に持ち越していたポジションが大きな損失に変わることになるので金曜日の取引には注意が必要です。
そのため、金曜日は「なるべくポジションを調整したい」という心理状態になりやすく、ポジション調整で大きな為替変動が生じる可能性があります。
大口がどちらのポジションを多く保有しているかで為替変動が異なるため、FX初心者には難しい日と言えるでしょう。
相場が薄くなりやすい
金曜日は「月曜日に持ち越したくない」「為替変動を読みづらい」という特徴があるため、様子見のトレーダーが多くなります。
相場が薄くなることによって注文も少なくなることから板が薄くなるため、結果的に急な為替変動が生じやすくなります。
その結果、ロスカットラインに到達して強制的に損失が確定されるということも多いため、FX初心者はなるべく金曜日を避けて取引しましょう。
月曜日で窓開けが生じた時は窓埋めを狙う
曜日によって為替変動が異なるため、それぞれの曜日の特徴を理解すれば、FXで安定した利益を得やすいと言えます。
中でも、月曜日は特徴的な為替変動が生じやすいため、癖をしっかりと理解していれば、安定した利益につなげることが可能です。
特徴的な為替変動の1つとして窓開けというものがあります。
窓開けとは、週末の最後の為替から月曜日の最初の為替に乖離がある状況です。
このような状況が生じた場合には、その乖離を埋める方向に為替変動が生じやすいため、エントリーポイントを読みやすいと言えます。しかし、必ずしも窓を埋めるとは言い切れません。
そのままトレンドに転換して窓をさらに広げる可能性もあるため、損切りを設定するなどリスク管理もしっかりと行いましょう。
まとめ
FXは、土曜日と日曜日を除いて24時間取引可能です。
しかし、24時間取引できますが、24時間積極的に取引が行われるわけではないため、各時間帯の特徴を理解しておくことが重要です。
また、時間帯だけでなく、曜日によっても為替変動に違いがあります。
月曜日の変動は、基本的には大きく動かない・先週の流れを引き継ぐといった特徴がありますが、窓開けが生じると窓埋めに向かう確率が高いと言われています。
そのため、月曜日に窓開けが生じた時は、窓埋めの方向にエントリーすれば勝率が高いと言えます。
しかし、必ずしもそうなるとは限らないため、しっかり損切りを設定するなどリスク管理を徹底して安定した取引を目指しましょう。