株式会社インベストメントカレッジ
吉田健吾
累計12万5000人以上の個人投資家が学ぶ投資スクール「Daily Wealth」の運営責任者。講師には、カリスマFXトレーダーの維新の介を始め、毎年億を稼ぐプロトレーダー、不動産投資歴19年の元祖サラリーマン大家、FX・株・先物・不動産投資、ベンチャーキャピタルなど幅広く精通する大分の投資家など、一流のトレーダー・投資家がいる。
生活費の足しや子供の教育資金・老後の生活費の備えとして資産運用を検討している人の中には、FXと株のどちらがいいのか悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
どちらもメジャーな運用の手段なので、悪いものではありません。
しかし、違いを理解していないとうまく運用できない可能性があるので注意が必要です。
そこで今回は、FXと株のどちらが初心者におすすめか徹底比較していきます。
Contents
FXと株の主な7つの違い
資産運用の初心者の中には、FXと株の違いはある程度分かっていても、細かな違いまでは分かっていないという人も多いことでしょう。
それらの違いをしっかりと理解できていない状況で運用を始めても、「想像していた運用結果にならない」「リスクが高くなる」といった可能性があるので注意が必要です。
そのため、初心者でも安定した運用結果を得られるようにするには、まずFXと株の違いをしっかり理解しておく必要があります。
FXと株の違いで抑えておくべき主な違いは以下の7つです。
- 運用対象
- 運用対象の種類
- 価格変動の要因
- 価格変動の大きさ
- インカムゲイン
- 運用効率の良さ
- 取引可能時間
それぞれの違いについて見ていきましょう。
運用対象
1つ目の違いは運用対象です。
FXの運用対象は国家が発行している通貨であるのに対して、株の運用対象は企業が発行している株式です。
通貨は価格変動が生じるものの、通貨価値がなくなることはないため、安心して運用できる対象と言えます。
一方、株式も通貨と同様に価格変動が生じますが、業績が悪化した場合や証券取引所の上場廃止基準に抵触した場合は株式価値がなくなる可能性があります。
実際に、大手航空会社のJALは、経営破綻に伴う上場廃止によって株式価値が0円になりました。
上場廃止になってから2年7ヶ月後に再上場されましたが、再上場されたからと言って、上場廃止前に所有していた人たちの価値が戻るわけではありません。
通貨の方が安定した価値を有していると言えるでしょう。
運用対象の種類
2つ目の違いは運用対象の種類です。
FXの運用対象が国家の発行している通貨といっても、世界中の通貨を取引できるというわけではありません。
取引できる通貨の種類はFX業者でそれぞれ異なります。
FX業者で異なると言っても、基軸通貨である米ドルのほか、英国ポンド、ユーロ、カナダドルなどの主要通貨、豪ドル、NZドル、南アフリカランドなどのマイナー通貨が主な対象です。
そのため、おおよそ10種類程度の中から選んで運用します。
しかし、株の運用対象である株式は、東京証券取引所に3,800以上が上場されているため、その中から運用対象を選ぶ必要があります。
10種から1つを選ぶのと3,800種から1つを選ぶのでは選ぶ手間が大きく異なります。
FXは種類が少ないため、運用対象を選ぶ手間を省けると言えるでしょう。
価格変動の要因
3つ目の違いは価格変動の要因です。
FXの運用対象である通貨の価格変動要因は、発行している国家の金融政策や経済状況の影響を受けます。
例えば、アメリカでは積極的な利上げが行われましたが、利上げが行われると得られるスワップという利息が増えるため、米ドルが買われます。
通貨の主な変動要因は以下の5つです。
- 金融政策
- GDP
- インフレ
- 雇用情勢
- 個人消費
株の運用対象である株式の価格変動要因は、発行している企業の業績です。
例えば、企業の業績が良い場合は、将来的な株価上昇を期待して買われます。
株式の主な変動要因は以下の5つです。
- 企業業績
- 為替変動
- 海外市場の様子
- 材料(資源)の価格
- 関連会社の業績
為替変動は通貨を発行している国の経済状態などをしっかりと確認しておけば、ある程度変動を予想できますが、株式変動は、変動要因が多岐に渡るので予想が難しいと言えます。
そのため、FXの方が変動を予想しやすいと言えるでしょう。
価格変動の大きさ
4つ目の違いは価格変動の大きさです。
FXの運用対象である通貨は、基本的に大きな変動が生じません。
1日の価格変動は1%程度であることが多く、為替変動に大きな影響を与える要因が発生した場合でも5%以内に収まるのが一般的です。
一方、株の運用対象である株式は、ストップ高・ストップ安という1日の価格変動の上限や下限が設定されていることから分かるように、1日に大きな変動が生じる可能性があります。
また、「テンバガー」と呼ばれる1年で価格が10倍になる株式もあるなど、運用する株式をうまく選んだ場合には大幅な利益が期待できます。
価格変動が大きいということはそれだけ利益が期待できることを意味しますが、リスクが高くなることも意味します。
短期間で大きな利益を望むのであれば、株の方が良いと言えるでしょう。
インカムゲイン
5つ目の違いはインカムゲインです。
インカムゲインとは、運用対象を保有し続けるだけで得られる利益のことです。
FXで得られるインカムゲインは通貨の金利差によるスワップという利益です。
株で得られるインカムゲインは、企業が株主に還元する配当金や株主優待といった利益です。
FXのスワップは毎日手に入りますが、株の配当金は年に1回といったように発行している企業によって異なります。
インカムゲインを求めて取引を行うのであれば、FXの方が効率良く得られると言えるでしょう。
運用効率の良さ
6つ目の違いは運用効率の良さです。
FXはレバレッジというテコの原理を活用すれば、自己資金以上の取引を行うことが可能です。
株は信用取引というお金を借りて行う取引で、自己資金以上の取引を行うことが可能です。
FXは国内のFX業者には25倍の規制が適用されますが、海外のFX業者にはこの規制が適用されず100倍以上の業者もあるため、少ない資金を効率良く運用できます。
一方、株の信用取引では、利益の有無に関係なく6ヶ月以内に清算の義務が発生するほか、金利の支払いが発生します。
どちらも自己資金以上に取引できるので運用効率が良いですが、倍率の高さ・デメリットの有無などを考慮すると、FXの運用効率の方が良いと言えるでしょう。
取引可能時間
7つ目の違いは取引可能時間です。
FXは世界中で取引が行われているため、土日を除いて24時間取引可能です。
一方で、国内の株式を対象とした株は東京証券取引所が開いている時間に取引が限られるため、土日祝を除いて9時~15時まで取引可能です。
デイトレードのように積極的な取引を行いたい場合には、日中働いている時間が取引可能時間と重なる株は、サラリーマンにあまり向いているとは言えません。
指値だけしておいて放置するような運用方法の場合には株でも問題ありませんが、時間を気にせず取引できるFXの方がサラリーマンに向いていると言えるでしょう。
初心者におすすめなのはFX
資産運用の経験が少ない初心者にはFXがおすすめです。
その理由は以下の4つです。
- 少額から運用できる
- 時間を気にせず運用できる
- 価値が0にはならない
- デモアプリでシミュレーションできる
運用初心者は知識や経験が少ないため、とにかくリスクを抑えながら知識や経験を積んでいくことが重要です。
そのため、運用前にデモアプリでシミュレーションできる、あるいは少額から始められるのは、初心者にとって大きなポイントと言えるでしょう。
まとめ
資産運用の初心者の中には、株を始めた方が良いのかFXを始めた方が良いのか悩んでいる人も多いでしょう。
株とFXを比べると、FXの方にメリットが多いため、運用初心者にはFXをおすすめします。
しかし、FXをおすすめすると言っても全くリスクがないというわけではありません。
資産運用を行う際は何らかのリスクを伴うため、リスク管理を徹底しながら運用を行うようにしましょう。